前もって位置だししてあった部分を重機で粗掘りし、その後は水平深さを確認しながら手作業で溝状に仕上げてゆきます。その後、砕石を投入し機械でつき固め、5センチほどの厚さにステコンクリートを打ち下地とします。
こうすることで型枠の正確な位置と水平、最下部の鉄筋のコンクリートかぶり厚さが十分に取れるようにするわけです。 (規定では底面で6センチ、側面で4センチ以上コンクリートの厚さが鉄筋にかぶっていないといけません。アルカリ性のコンクリートで鉄筋が錆びるのを防いだり、剥離したりするのを防止するためです。)


ここまでできたら、このステコンクリートの上に正確な型枠の位置を墨でマークしてゆきます。
一般的な住宅のコンクリート基礎幅は12センチですが、中に入る鉄筋の太さが13+10=23ミリありますので、残りは97ミリ。それを両側に振り分けると48.5ミリしかありません。
建築基準法の規定は40ミリ以上、鉄筋にコンクリートが被っていなくてはならないのでかろうじてクリアしてはいるわけですが、実際は補強のための鉄筋があったり、入り組んだ部分があったりすると40ミリ確保できないことになります。
そこで、うちではJリミテッドフォームという断熱材兼用の基礎型枠をつかっているのですが、これは基礎幅が153ミリ、と、規定より33ミリも広くなっているので、コンクリートは多めにかかりますが、基礎の丈夫さが格段にあがります。 また、両面から密着した断熱板がコンクリートが空気と直接触れるのを遮断しますので空気中の炭酸ガスで中性化してゆくのをある程度防いでくれるというメリットもあります。
ブロック状の発泡スチロール型枠を積み重ねてゆく形式ですから一回限りの使い捨てですが、軽量で工期も短縮され、また、この断熱板自体に防蟻作用があるため(ホウ酸をまぜてつくってあります)うちでは最近この工法が多くなりました。


鉄筋は特注の組み立て鉄筋(工場で溶接組み立てしたユニットを配置してそれに現場で鉄筋を付け加えてゆく方式)です。 昔から金融公庫仕様という規格の組み立て鉄筋が売られていますので、他ではそれを使うことが多いのですが、構造計算して鉄筋の太さ、配置、本数などもすべて算出していますのでそれに合わせて特注で八戸の鉄筋工場でつくったものを送ってもらい使っています。


あらかじめ水道配管が貫通する部分は鞘管をいれておいて、隙間などもウレタンフォームを充填しておきます。そのあと、設計どおりに型枠と鉄筋が組みあがったら周囲を砕石で埋め戻します。


